こんにちは。弁理士のまるです。
前編は、ウォシュレット®の開発の話と、おしり洗浄技術についてご紹介しました。
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後編では、便器をキレイに保つ技術についてご紹介します。
目次
技術3:表面をつるっつるにする「セフィオンテクト技術」
さて最初は表面をつるっつるにする「セフィオンテクト」という技術です。
この技術は、便器の表面を覆う「釉薬」と呼ばれるガラス層の凹凸をできるだけなくす加工技術です。
特許(特許第3339640号)では表面釉薬層の中心線表面粗さRaが0.07μm未満となっていました。これにより、汚れとの接触面積を減らして汚れを付着しにくくすることができるようです。なお、「釉薬」は「うわぐすり」と読みます。
例えば表面釉薬層は、シリカ、アルミナ、ジルコン等を含む微細なガラスフリットを陶器素地に塗布し、300℃以上の温度で焼成することで得られるようです。
この表面釉薬層は親水性(=濡れやすい)なので、さらに汚れが付着しにくく、また付着したとしても簡単に汚れを落とすことができるようになります。
トイレ掃除が楽になる、とってもありがたい技術ですね!
ちなみに「セフィオンテクト」は商標登録されています。
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このマーク、トイレや洗面所でよく見かけます。便器表面の技術のマークだったんですね。
技術4:使うたび除菌する「便器きれい」技術
お次は、「便器きれい」技術についてご紹介します。この技術は、トイレを使った後に「きれい除菌水」をシュッと便器に吹きかける技術です。
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「きれい除菌水」は、次亜塩素酸を含む水で、汚れに含まれる油分を分解する機能があります。これにより菌の繁殖を防ぐことができます。
なお「きれい除菌水」も、しっかり商標登録されています。
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では特許を見ていきましょう(特許第4968635号、特許第5029930号)。
きれい除菌水は、水を電気分解して作られるそうです。具体的には、水道水には塩素イオンが含まれ、この塩素イオンが電気分解により次亜塩素酸に変化するようです。
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ここで「きれい除菌水」の吹きかけ方にはコツがあります。たくさん吹きかければよいというものではありません。たくさん吹きかけると、水滴が凝集して、重みですぐに流れてしまうからです。
除菌効果を維持するために、「きれい除菌水」を長時間便器に残す必要があるのです。
特許明細書によると、便器のボウル部の10~50%を水滴が占有するように「きれい除菌水」を短時間で吹きかける方法が好ましいようです。これにより、均等に分布させてボウル部に除菌水を留めることができます。
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また「きれい除菌水」の吹きかけるタイミングにもコツがあります。トイレを使った後すぐです。
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トイレ本体には、ユーザのトイレ室への入室を検知するマイクロ波センサが搭載されています(入室検知センサ402)。なんと便器に内蔵されているものもあるようです。
トイレ本体は、この入室検知センサ402がトイレ室内の人間を検知しなくなったら、噴霧ノズル480から「きれい除菌水」を噴霧させる制御を実行します。
また特許明細書には、ユーザがトイレを使用する前に水や「きれい除菌水」を吹きかけてもよいことが記載されています。これによって汚れの付着・固着を抑えることができるようです。
トイレ掃除が楽になる、とってもありがたい技術ですね!(2回目)
後編まとめ
以上、便器をキレイに保つ技術に関する知財をご紹介しました。いかがでしたでしょうか。
トイレはキレイに保ちたいけど、掃除の頻度は抑えたい。そんなずぼらな自分にとっては、とてもありがたい技術でした。
また今回ウォシュレット®の知財を調べてみて、TOTOは自社技術を表す商標を積極的に取っていることが分かりました。
トイレや洗面所にあるマークを注意深く見てみるのも、面白いかもしれません。
筆者は知財情報のサイトマップを運営する「Yuroocle」に加盟しています。
もっと知財情報を知りたい方は、ぜひこちらもチェックしてみてください。
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