【判例4コマ】キャンディ・キャンディ事件(著)

著作権判例「キャンディ・キャンディ事件」(最判13.10.25)について、4コマ漫画を描きました。

結論は、条文通りのシンプルな事件です。が、調べてみると謎が多い事件でした…。

弁理士試験受験生の方は、もちろん結論だけ覚えていればOKと思います。

4コマ漫画

2・3コマ目は、リアルちびまる本人が描いたものを、許可を得て貼り付けました(笑)

ここからは、キャンディキャンディ事件とは直接は関係ありませんが…。

原著作物に登場する登場人物を用いて別のストーリーを第三者が描くタイプの同人誌は、原著作者の著作権の侵害になります。しかし、刑事上の著作権侵害罪は親告罪なので(著119、著123)、原著作者が「いいか~」と思えば刑事上の罪に問われることはありません。

ざっくり内容

●「本件連載漫画」は,原著作物の著作者の小説形式の原稿を原著作物とする「二次的著作物である」から、原著作物の著作者は著28条により、本件連載漫画の著作者が有するものと同一の種類の権利を専有する。

●したがって、専有状態の両者の権利が併存することになるので,両者の合意無しにされた作成・複製・配布などは、差止できる  ⇒ 原作者の勝ち

なお、これだけ読むと非常に単純な事件のように思えますが、この判決後も「二次的著作物」については学説が分かれています。

また、当事者同士の関係も、いまだに泥沼化しているようで、残念ながら名作「キャンディ・キャンディ」を世の中で見掛ける機会は、ほとんどなくなってしまいました・・・

ポパイネクタイ事件とキャンディ・キャンディ事件

ここからは、興味のある方向け&自分へのメモです。

キャンディ・キャンディ事件に関連する事件としては、先に4コマ漫画にした「ポパイネクタイ事件」があります。(「ポパイネクタイ事件」の4コマ漫画はこちら↓)

【判例4コマ】ポパイネクタイ事件(著)
  • 二次的著作物における「二次的著作者」の権利範囲 ⇒ ポパイネクタイ事件
  • 二次的著作物における「原著作者」  の権利範囲 ⇒ キャンディ・キャンディ事件

(1)ポパイネクタイ事件

二次的著作者の権利範囲について,「二次的著作物の著作権は,二次的著作物において新たに付与された創作的部分のみについて生じ,原著作物(登場初回分)と共通しその実質を同じくする部分(=キャラクター)には生じないとしました。

なぜなら,二次的著作物が原著作物から独立した別個の著作物として著作権法上の保護を受けるのは、原著作物に新たな創作的要素が付与されているためであって、(第2回目以降の)原著作物と共通する部分(=キャラクター)は,何ら新たな創作的要素を含むものではなく、別個の著作物として保護するべき理由がないからです。

つまり,二次的著作者の権利範囲は,二次的著作者(本事例では原著作者と同一であるが)の創作性が付与された部分のみに生じ,それ以外の部分については原著作者(登場初回分)の権利のみが及ぶこととなります。

(2)キャンディ・キャンディ事件

本件連載漫画を二次的著作物に該当すると判断し、二次的著作物における原著作者の権利について、「二次的著作物である本件連載漫画の利用に関し,原著作物の著作者は、漫画の著作者が有するものと同一の種類の権利を専有し、二次的著作物の全体に及ぶとしました。両者の権利が併存することになるので、漫画家の権利は 原作者との合意によらなければ行使することができないとしました。したがって、原作者は,漫画家が本件原画を合意によることなく作成し,複製し、又は配布することの差止めを求めることができるとしました。

なぜ原著作者の権利が二次的著作物の全体に及ぶのかについて、最高裁の判決自体からは明らかになっていません。また本判決は民集に掲載されていません。これに対して、原審は、本判決よりも踏み込んだ判示をしていました。

原審では、原著作者の権利が二次的著作物の全体に及ぶ理由として、

  1. 原著作物の創作性と二次的著作物の創作性とを区別することは困難・不可能。
  2. 二次的著作物である以上、原著作物に依拠しないものはあり得ない。

を挙げました。結論として、原著作者の創作性が及ばない部分にまで原著作者の権利が及ぶとしました。

参考

・判決文(最高裁)

参考 平成12(受)798裁判例検索

・判決文(東京高裁、原審)

参考 平成11(ネ)1602裁判例検索

・文献

愛知靖之 「原著作物の二次的著作物に対する保護範囲」 著作権判例百選〔第6版〕 100-101頁

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