【判例4コマ】がんばれ受験生事件(商)

商標判例「がんばれ受験生事件」(知財高判H19.4.26)について、4コマ漫画にしました。

この判例、弁理士試験では影が薄い判例です。しかし調べてみると、興味深い判例でした。

受験生の方は、こんな判例があるんだな~程度で良いかと思います。

4コマ漫画

ざっくりまとめ

本判例の見どころ

(1)原告、被告(2社)の関係

受験シーズンになると、キットカットの受験生応援バージョンが売られているのを見かけますよね。

原告(4コマ中のCさん)は、キットカットで有名なネスレ(ソシエテ デ プロデュイ ネッスル エス アー)の日本法人に、「キットサクラサクよ!がんばれ受験生!」の文字+桜の花びらの図形の商標の使用を許諾している会社、インタシグナムです。

対して被告1(4コマ中のAさん)は、東洋水産株式会社で、「がんばれ!受験生」の商標権者です。
そして、被告2(4コマ中のBさん)は、日清食品ホールディングス株式会社で、「ガンバレ!受験生」の商標権者です。

東洋水産は「まるちゃん赤いきつね・緑のたぬき」が有名ですね。対して、日清食品は「どん兵衛」で東洋水産と競合関係にあります!そんな2社がタッグを組んで、ネスレ側と戦ったのです。

(2)めちゃくちゃ珍しい同日出願

なんと東洋水産と日清食品は、同日(平成12年1月24日)で商標「がんばれ!受験生」、「ガンバレ!受験生」の商標登録出願をしたのです!こんなことってあるんですね。

結局同日出願であることが看過されて、協議命令が出されないまま、双方が登録になりました。

尚、この2つの商標権は、現時点(2021/7/10)でいずれも存続していました。

(3)原告は、無効審判を請求するために出願をした

判決文には、以下のような記載があります。

(4) 原告は,上記(3)の原告商標に対し被告又は東洋水産から無効審判請求がなされることを予想していたこともあって,その対抗的措置として本件商標及び東洋水産商標につき無効審判請求をすべく,その審判請求適格を取得するため,平成16年12月16日 「がんばれ受験生」とする商標につき,商標登録出願(商願2004-114761号)をした(指定商品第30類。詳細は不明)が,平成17年5月24日,本件商標及び東洋水産商標に類似する(法4条1項11号該当)として,特許庁審査官から拒絶理由通知を受けた。

平成18(行ケ)10458 判決 16頁

原告のインタシグナムは、「キットサクラサクよ!がんばれ受験生!」の登録商標について、日清食品又は東洋水産から無効審判請求をされることを予想していたようです。

商標法では無効審判は利害関係人しか請求できないため(商46条2項)、インタシグナムは先手をうって無効審判を請求するために「がんばれ受験生」の商標登録出願をしたんですね。

無効審判請求するために、出願をする」というのは、面白いです。

参考

・判決文

参考 平成18(行ケ)10458裁判例検索

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